解雇とは
(1)普通解雇
普通解雇とは、労働者の能力欠如(例えば、私傷病で働けない、勤務成績不良、適格性がない等)や規律違反(勤怠不良、非違行為等)、経営上の必要性を理由として行われる解雇をいいます。
(2)整理解雇
整理解雇とは、普通解雇に属するもので、会社の経営上の必要性を理由として行われる解雇をいいます。会社の経営上の理由による解雇のため、以下の「整理解雇の4要件」を満たしていないと無効と判断されます。
・人員削減の必要性
・解雇回避の努力義務
・解雇対象者の人選の合理性
・手続きの妥当性(労働者への説明、協議)
もっとも、近年は、4要素として、すべてを満たすことは必ずしも必要ではないという理解のもとで、総合考慮して整理解雇の有効性が判断される傾向にあります。
(3)懲戒解雇
懲戒解雇とは、懲戒処分としての解雇であって、懲戒処分の中でも最も重い処分です。
解雇の有効性
労働契約法第16条では、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」 と規定しています。「客観的に合理的な理由」とは、解雇理由として合理的と考えられる事情が存在することを指し、「社会通念上相当である」とは、解雇理由の内容や程度、情状、不当な動機や目的があったかどうか、他の労働者への対応との比較、解雇に至るまでに改善・教育指導などがあったかどうかなどを考慮して、労働者が解雇という不利益を受ける相応する事情が存在することを指します。
懲戒解雇については、懲戒権の濫用という側面もあることから、労働契約法第15条の規定も併せて適用して、有効性が判断されます。
例えば、スーパーマーケットで勤務していた労働者が商品を会計せずに持ち帰ったことを理由になされた懲戒解雇について、故意に窃盗したと認めることはできないため、故意の犯罪の成立を前提とする就業規則上の懲戒事由に該当せず、処分も不相当に重いものといえるため無効とした事案があります(ロピア事件・横浜地判令和元年10月10日労判1216号5頁)。
解雇予告
労働基準法第20条では、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない」と規定しています。例えば、その日に解雇する場合は30日分以上の平均賃金(いわゆる解雇予告手当)を支払う必要があります。
ただ、解雇予告手当は、解雇が有効であることを前提として支払われるものであるため、解雇自体を違法無効であると争う場合には、態度が矛盾しないよう、解雇予告手当も請求するべきではないとされています。
本採用拒否(試用期間中の解雇)について
入社から数か月は試用期間とされ、実際に働いてみた後で本採用すると言われることがあります。
試用期間は適格性を観察する期間として設けられることが多いです。
試用期間中の勤務状況が悪かったり、虚偽申告が発覚すると、これらを理由に本採用拒否と言われることがあります。
この本採用拒否は、留保された解約権の行使として扱われ、通常の解雇よりも緩やかな基準で解雇の有効性が判断される傾向にあります。
解雇や本採用拒否を通告されたら
使用者に解雇を予告、通告されたら、すぐに解雇通知書、解雇理由証明書の交付を要求しましょう。使用者には両通知書を提出する義務があります。
ユニオンちよだでは、解雇事由と解雇理由証明書の内容を検証します。多くの場合、不当な解雇と判断できます。ユニオンちよだでは、不当な解雇には使用者側に対し、団体交渉を申し入れ、解雇の撤回や和解を求めていきます。解雇予告、通告されたら、すぐにユニオンちよだにご相談ください。
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